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もしばなカードで苦笑い

 この10年間、在宅医療に携わり、様々な問題を感じる中、大切と思ったことは、たとえどんな問題があろうとも、患者さん自身がどのように生きたい(過ごしたい)のか、どのように最期を迎えたいのかを伝えるアクションを自ら取るということです。国は「人生会議」と推奨していますが、その重要なキーは、「信頼できる人に話すこと」と言われています。伝える人は家族、医療・介護関係者、弁護士、友人など多岐にわたります。

 もしものための話し合いするゲームに、「もしバナカード」がありますが、もしものことを意識したことがない人によっては、人生においての価値観などの気づきを得るきっかけになることがあります。看護師5人でゲームを行った結果、優先度が高い、カードの共通点は「信頼できる医師を選ぶ」ことでした。誰も看護師を選ばなかったことに苦笑いですが、医師の指示を受け看護を行う看護師だからこそ、医師の存在の重要性を示しているように思いました。

 今回、コロナワクチン接種で「かかりつけ医」の必要性を認識された方は多かったと思います。何でも相談できる、かかりつけ医を持っている方は幸せです。かかりつけ医は、治療だけでなく、その人が望む生き方、暮らし方を支える役割があります。また、かかりつけ医がいなくても、このような時期だからこそ、家族だけでなく信頼できる人に、自分が大切にしていること、病気になった時どのような選択をしたいか発信をしていただきたいと思っています。

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